内臓疲労 腰椎の問題
昨日急に腰が痛くなって動けなくなってしまいました。こちらの方は当院で月に1〜2回体調維持や予防ために矯正を行っていますが、仕事の繁忙期に疲労がたまると、残念ながら何年かに1回、画像のような前かがみのまま動けなくなって固まってしまう腰痛、言わば「ぎっくり腰」になってしまいます。しかし、常日頃から矯正を行っているので、骨格のストレスに対する耐性が高く、身体の歪みも少ないので、動けないほどの腰痛になっても回復は非常に速く、左骨盤付近に痛みは多少残りますが、翌日には出勤しました。通常「ぎっくり腰」の回復は2〜3週間、長引くと1か月超と言われますが、カイロプラクティックの矯正を継続することで「からだの質」が高まると、「自然治癒力の質」も高まります。
継続的な矯正による身体に質の向上についてはこちら
ご挨拶
トップカイロプラクティックのwebサイトをご覧頂きまして有難うございます。当サイトでは、当院に来院されている患者様と、これからカイロプラクティックの矯正を受けてみようとお考えの方に対し、当院で行う
カイロプラクティックの矯正はどのような目的で行っているのかを説明するために立ち上げました。
当院の患者様は90%の方が既存の患者様のご紹介で見えています。そして82%の患者様が症状や病気の予防、体質の改善のために継続的に矯正に見えています。(継続的な矯正に関する詳細は
こちらをご覧ください)しかし当院の矯正は一言でいうと非常に地味であり、患者様から「体の調子は良くなったけど、何が検査で何が矯正だったか良く分からない」と質問を頂く事が多々あります。従って、当院の患者様がご家族、ご友人を紹介して下さる際に、「どのような矯正をするのか説明するのに非常に困る」とご意見を頂く事もあります。
ある患者様から、「インターネットの時代なんだから、紹介する時に便利なホームページを作りなさい」とアドバイスを頂きました。そこで、当院の患者様からご紹介された方、当院のwebサイトをインターネット上で見つけた方、また当院の患者様に対しましても、日常的に行っている検査の目的や矯正を出来るだけ分かり易く説明したいと思います。
当院ではご紹介以外の方も受け付けております。しかしweb上での情報ではなかなか細かい所までお伝えすることが難しい場合がありますので、カイロプラクティックの矯正を受けてみたいとお考えの方は、まず身近なお知り合いにカイロプラクティックを受けている方がいらっしゃれば、その先生を紹介して頂くことをお勧め致します。そのような方がいらっしゃらない場合には、当院では初診の方への
説明会も行っておりますのでご相談下さい。
また、画像、
症例集のためにご協力頂いた患者様と関係者の皆様に、この場をお借りしてお礼を申し上げます。
当院では臨床データ収集のために、特定の身体的条件の方を対象にモニター募集を行っております。詳しくは
モニター募集についてをご覧下さい。
姿勢からの考察
当院ではまず、姿勢を分析することから始め、最後に再び姿勢を分析して終わります。上記の画像は患者様の矯正前と矯正後の姿勢の比較になります。まずお断りしておかなければならないのは、どの様な方でも1回の矯正で真っ直ぐな姿勢になるわけではありません。また、真っ直ぐな姿勢であるから、症状がなく良好な健康状態を示している訳でもありません。しかし、姿勢の分析は患者様の状態を大まかに掴む有効な手段になります。
上の左側の画像は冒頭に登場した10代女性で、左側は80代女性です。程度は違いますが二人とも左側への傾きが見られます。注目するポイントとして、10代女性のほうは中心線が右臀部上にあり、80代女性のほうは骨盤の中心にあります。同じ左への傾きでも性質が違うことが解ります。歪みの大きな10代女性は骨盤と足の筋肉のバランスが不安定な状態を示していますが、歪みの少ない80代女性の方が実は複雑な状態を示しています。
80代女性は骨盤部分は中心線上にあり整列していて、腰椎から左に傾斜しているので、腰椎に問題があるように見えます。しかし腰椎に問題が起こった時に現れるassociated
distortion(連動する歪み)が見られません。これは腰椎と連動する頸椎、肩甲骨、腕のバランスです。10代女性は関連する歪みとして、肩甲骨の高さの違い、右腕の前方への移動、顎が左に傾くという、骨盤の筋肉がアンバランスな状態での特徴的な傾向がみられますが、80代女性は腰椎の問題を確定的にする要素が立位では見られません。こちらの女性はうつ伏せで検査すると骨盤の中央に位置する仙骨が非常に強い捻じれを起こしていることが解り、仙骨の捻じれに関連する歪みである、頭蓋骨の特定箇所に緊張が確認できます。立位での姿勢は仙骨の捻じれを補正した状態であり、真の状態を示すものではありませんでした。
姿勢分析で興味深い点は、比較的真っ直ぐな姿勢であっても全く無症状ではないという事です。上記3枚の画像は20代女性3人の初診時の姿勢になりますが、3人とも黄色の垂直線が頭と骨盤の中心上にあり、見た目では真っ直ぐな姿勢です。しかし3人ともそれぞれ特有の症状があり共通して慢性的な腰痛と肩こりがあります。姿勢分析では解りませんが実際に身体を動かしてみると、全身の筋肉の緊張が強く、関節の可動域も著しく減少してしていて、3人とも特に骨盤と股関節、肩、上部頸椎で顕著に見られます。これは現在の若い患者様に多く見られる現象ですが、幼い頃からの過度の疲労の蓄積により、全身の筋肉や関節が硬くなり、歪みが大きく見られた時期があったかも知れませんが、結果として真っ直ぐな状態で固まってしまったと考えることもできます。
他の検査も含めて細かく観察すると、この3人の真っ直ぐな姿勢の状態でも身体の歪みの性質の違いが解り、歪みの程度の違いも明らかになります。3人の方には特に指示もなく自然な状態で立って頂いていますが、右側の女性は左の爪先が内側を向き、中央の女性は右の爪先が内側を向いています。これは爪先の向きを特定の方向へ移動させることで、骨盤を支える股関節の位置を微調整して、真っ直ぐ身体を支えるために起こる現象です。内側を向く左右の爪先の違いは優位脳による利き足と軸足の違いであり、頭蓋骨の歪み方や利き目を検査してみると、右側の女性は優位脳が左で利き目と利き手が右であり、優位脳と全身のバランスから身体を支える軸足は左足になり、中央の女性は優位脳が右で利き目と利き手が左で軸足は右になります。一番複雑なのは左側の女性で、左足の爪先が内側を向いていて左足が軸足である右利きタイプのように見え、骨盤のバランスを検査しても左足が軸足であると考えられますが、頭蓋骨の歪みと利き目を検査すると優位脳が右で利き目と利き手が左であり、脳のバランスからみると左利きタイプであります。これは次項の「頭蓋骨の歪みからの考察」でも触れますがノンスムースカップリングと呼ばれ、歪みのバランスとしては少数派で複雑な状態にあり、強い症状をお持ちの方、体調が慢性的に優れない方に見られるケースがよくあります。
このように真っ直ぐな姿勢でも他の検査を併用することで潜在的な身体の歪みや神経的な問題が明るみになり、矯正する箇所を特定する重要な手がかりとなります。
頭蓋骨の歪みからの考察
頭頂結節の右側が前方 左側が後方のグループ
頭頂結節の右側が後方 左側が前方のグループ
上記の4枚の画像は、頭蓋骨の頭頂骨という骨の「頭頂結節」という部位を指で掴んでいる画像です。当院の患者様は、私が検査や矯正の際に皆様の頭蓋骨を頻繁に触っている事を気づいていると思います。頭蓋骨に触れるという事には様々な意味があるのですが、この頭頂結節を含めた頭蓋骨の形は皆様の体の状態を示す重要な判断材料になります。
左の画像は頭蓋骨を真上から見たもので、指で示した部分が頭頂結節になります。この頭蓋骨の模型は右側が前方で左側が後方になり、上の4枚の画像では、上段2枚が右側が前方 左側が後方のグループであり同じ歪みになっています。このグループは我々の分類では、CCW(反時計回り)A−P STRAIN(前後方向の緊張)と呼びます。下段2枚のグループはCW(時計周り)A−P STRAINと呼びます。
この歪みは遺伝的要素と胎児期の母体の中での胎位、胎勢、胎向という胎児の状態によって決定されると考えられます。詳しくは
こちらを参照してください。胎児期の頭蓋骨は、大まかに言うと耳から下は軟骨により形成され、耳から上は膜により形成されるために、皆様ご存じのように新生児の頭蓋骨はとても柔らかく、そのため胎児期と出産時の圧迫により頭蓋骨に歪みが発生します。この頭蓋骨の歪みは軟骨の歪みと膜の歪みでは歪みに違いがあり、歪みの性質も異なってくると考えられます。そしてこの頭蓋骨の歪みは首から下の歪み連動して発生させ、その人の生まれながら骨格全体の歪みの性質として、その特性を生涯持ち続けます。
そしてこの頭蓋骨の歪みがもたらす特性は、単に歪んでいるということだけではありません。特筆すべき事は、「右側が前方 左側が後方のグループ」は利き目が右目であること、「右が後方 左が前方のグループ」は左目が利き目であるということです。利き目とは利き手や利き足と同様にどちら側の目を優勢に使って物を見ているかという目の優位性です。利き目、利き手、利き足は左右に分かれた大脳半球の優位性によって決定されると考えられています。つまり頭蓋骨の歪みの状態で優位脳がかなり正確に判断できると考えられます。
利き手は幼少期に矯正されることがあり、利き足は皆様がそれを実感する機会があまりありませんので解りづらい所がありますが、利き目は簡単な検査で明らかになります。頭蓋骨の歪みはA−P(ANTERIOR−POSTERIOR 前後)だけではなくLATERAL(側方)SIDE BEND(側屈)など様々な種類がありますが、頭蓋骨の歪みと優位脳の関係性は、今のところ90%以上の患者様に当て嵌まります。
人間の骨格は基本的に構造的には左右対称でありますが、上記のように胎児期に頭蓋骨は非対称的になり、誕生後は機能的にも左右非対称であると考えられ(向き癖など)、この非対称性は優位脳によるものと考えられます。身体に歪みが生じるということは、誕生時の構造的な非対称性を基礎として、優位脳によって生じる機能的左右差であり、右利き左利き各々の優位脳による体の行動パターンにより骨格全体の歪みのパターンが決定されてきます。魚や蛇のような手足を持たない生き物でも右利き左利きがあり、優位側に応じたからだの歪みが生じるという研究発表がありますので、手足のある人間は頭蓋骨の歪みと優位脳により、骨格全体の歪みのパターンはより顕著になります。
この歪みのパターンは大まかに分類すると4つのパターンに分類され、矯正の方針を立てる上で非常に重要になります。それはこの分析により、患者様の歪みのパターンが解れば、その歪みのパターンに影響を与えている所が矯正箇所であり、矯正の到達点が明らかになります。
歪みのパターンの検査
上の2枚の画像は歪みのパターンの検査の様子です。このような検査を行った当院の患者様は数多くいらっしゃると思います。一見2枚の画像は同じ検査をしているように見えますが、左の画像ではモデルの男性は顔を左に向け、両方の爪先を右に向けて、右の画像では顔を右に向け、両爪先を左に向けた姿勢で両腕の筋力を検査しています。このモデルの男性は一方の肢位によって筋力が弱化します。技術的な解説は致しませんが、この男性の場合、頭蓋骨の歪みと連動して全身のCCWの歪みと分類され、歪みの性質としてはスムースカップリングとも分類され、優位脳は左側になり、傾向としては右利きで、体の歪みとしては多数派に属し、うつ伏せでは右足が左足と比較すると短くなる傾向があります。このようなバランスの方はうつ伏せでは右足が短く仰向けでは左足が短くなるというアンバランスな方もいらっしゃいますが、特定の条件が揃うと、その特定箇所の矯正により、仰向けでもうつ伏せでも同じ側の足が短くなり、身体の歪みの特性が明確になるケースがあります。個人的な見解としては我々の矯正が全身に伝わり易いタイプであると考えています。
このパターンには混在があります。画像にはありませんが、頭と足のバランスの組み合わせで上記以外の特定のパターンで筋力が弱化するタイプです。この場合はCWまたはCCWの歪みのノンスムースカップリングと分類され、少数派ではありますが、体の歪みが複雑なタイプであると考えています。この場合、上記で解説した頭頂結節と利き目の関係性のパターンに当て嵌まらないケースがあります。つまり構造と機能のバランスが不安定で様々な要素が混在している場合です。また御本人の自覚として利き手が右利きであっても利き目が左目である場合が15%弱あります。このような方は頭頂結節の位置にあまりズレが無い事が多くみられますが、優位脳と優勢に使う目、手、足のアンバランスの影響か、脊柱と骨盤に複雑な歪みを生じることが多く、個人的な見解としてはバランスをとることが中々難しいタイプであると考えています。
このように当院では、皆様の頭蓋骨を何度も触り、血縁者に左利きがいるかを訪ね、目の検査をするのには上記の理由があります。
仙骨からの考察
仙骨尖と尾骨
当院の患者様が、「この先生はこの場所をよく触るな」と、思われるであろう場所が上の左の画像の赤い矢印で示した、仙骨尖(仙骨の下端)と尾骨の周辺です。右の画像は両側の仙骨尖から尾骨にかけての場所を検査している画像です。骨盤は左の画像の中央に位置する仙骨、仙骨の両サイドに位置する腸骨、下位3腰椎と股関節によって構成されています。俗に言う骨盤がズレるというのはこの付近が捻じれることを意味すると考えられます。
この仙骨尖から尾骨の部分の重要性は骨盤の歪みの状態をより詳しく検査できることにあります。骨盤は仙骨と腸骨の関節である仙腸関節という部分で動きを生じます。また骨盤全体の大きな動きは股関節で生じます。仙骨尖から尾骨にかけての場所は、骨盤の捻じれの影響を受ける筋肉や靭帯が集まっているので、その筋肉や靭帯の状態を観察し、assosiated distortion(関連する歪み)を確認することで、骨盤に捻じれがある場合に、それが仙骨が原因であるのか、腸骨が原因であるのか、股関節が原因であるのか、または骨盤が捻じれているけれども、その原因は骨盤以外にあるのかということが分析できます。
仙骨尖の右方向への変位 左方向への変位
上の画像は典型的な仙骨の変位を示し、左の画像は仙骨尖が右方向に変位し、右の画像は左方向に変位しています。この2枚の画像はいずれも骨盤が歪んでいる状態ですが、この仙骨尖の変位だけでは何が原因かは解りません。そこで仙骨尖から尾骨にかけて触診していくと、様々なことが解ります。
簡単に一例を説明すると、左の画像のように仙骨尖が右に変位している場合、1.仙骨の右半分が後方にある。2.仙骨の左半分が後方にある。3.仙骨全体に前後差がないという3通りの状況が考えられます。足の長さを測定すると、揃っているのか下肢長差があるのか、また下肢長差があった場合にどちら側の足が長くなっているのかなど様々な要素があります。仙骨を基準に検査するとこれらの何パターンもの捻じれは全て矯正箇所が異なることを意味し、仙骨、腸骨、内臓などのどこを矯正することが患者様にとって有益であるかを読み取る手がかりとなります。
仙骨の矯正
これは実際の仙骨の矯正になります。かなりデリケードな部分に頻繁に接触しますので、患者様に不快感を与えないように細心の注意を払っています。患者様の状態によって難しくなるケースもありますが、当院に継続的に体の矯正に見えている患者様は、仙骨尖の変位がなくなり、骨盤の安定した状態を保ち、仰向けでもうつ伏せでも足の長さの差が現れない状態に変化していくと、慢性的な体の不調がとても少なくなり、体質の変化を感じる状態になる傾向にあります。
頭蓋骨の筋肉、靭帯、縫合からの考察
頭蓋骨の触診と背骨の矯正
当院の患者様は、必要以上と思われる程、私が上の左側の画像のように頭蓋骨を触っていることにお気づきだと思います。中には非常に痛む場所があって驚かれた方もいらっしゃるとと思います。これは頭蓋骨を触診することで、骨盤と背骨のどこに問題が生じているかの目安になるからです。
体を建築物として考えると、骨盤や背骨で生じた捻じれは、捻じれの伝搬を伴い頂上にある頭蓋骨に付着する筋肉や靭帯、頭蓋骨の関節である縫合に集約されます。家の基礎が歪むと最上位の階層に大きな歪みが起こる現象に似ています。
ここにはAタイプ、Bタイプ、不安定なBタイプ、Cタイプという4種類に分類される筋肉と腱の緊張が見られ、各々変位した背骨の位置とその性質を現しています。画像右側はアメリカでのセミナーでの、インストラクターの先生による実技ですが、AタイプまたはCタイプの矯正で、内臓をコントロールする自律神経の過剰刺激によって引き起こされた背骨の変位の矯正です。
他にも頭蓋骨の触診からは、仙骨の捻じれ、腸骨の捻じれ、腰椎と頸椎の椎間板問題などが確認されます。このように、私が頭蓋骨を何度も触るのは、問題のある個所を確認し、矯正した後に再度確認し、新たに問題のあるかを確認するためです。
歪みの変化からの考察
当院での矯正は、皆様の症状の問題を探して矯正することを目的としています。それにはカイロプラクティック特有の分析や検査を用いるために、皆様のお持ちの症状に対し、独自のアプローチを行うことがあります。そのアプローチの一例をご紹介します。
こちらは椎間板ヘルニアの患者様の姿勢を左から時系列で並べてみました。一番左の画像
は初診時のもので、整形外科でのMRIによる画像診断では、仙骨と腰椎5番の間の椎間板が右側に突出していたそうです。整形外科の先生には手術を勧められたそうですが、ご本人様は手術に若干抵抗があるので、担当の先生と相談の上暫く時間を作ることにして、何とか少しでも症状が軽減すればとのことで、当院の患者様のご紹介で来院されました。症状は右足の後ろ側に痺れがあり右の股関節と腰に強い痛みがあり、座っていることがとにかく苦痛とのことで、立って頂いてもこのような姿勢でしか立つことができません。
初診時の画像での姿勢のポイントは、立った状態での右足と左足の開き具合の左右差です。右側の爪先は側方に向き、左足は比較的中立位に見えます。姿勢を見てみると、大きく左足に体重が乗り、左側に傾いていて、右側の臀部にとても強い筋肉の緊張が見られます。右足の爪先が側方を向くことで、右臀部に緊張が起こり体が左方向にシフトしているように見えますし、左側への傾斜に対し右足を側方へ向け右臀部が強く収縮して、その傾きに抵抗しているようにも見えます。
問題の第5腰椎の椎間板は、第5腰椎の棘突起という部分に接触すると激しい痛みが発生するので、椎間板の問題を示唆する目安となりますが、座位で第5腰椎を矯正方向に動かそうとすると、右臀部から右足後面の痛みはさらに増加します。画像で見られる歪みの状態は第5腰椎を中心に発生しているようには見えず、他にも第5腰椎を現在の段階で矯正する目安は見られず、こちらの患者様は全体のバランスやその他の検査では股関節から矯正を行うのが適切であると判断されます。
始めの数回は非常に難航しました。こちらの患者様は座る事が苦痛であり、初診時には仰向けやうつ伏せの姿勢も困難で、唯一ある程度の時間を過ごせる体勢は右肩を下にした側臥位でしたので、その体勢で両股関節の矯正を行いました。
3回目くらいからは、激しい痛みは相変わらずありますが、うつ伏せや仰向けの姿勢もとれるようになってきたので、股関節の様々な矯正が可能になってきました。中央の画像は恐らく初診から4週間目だと思いますが、この頃は、痛みと痺れはだいぶ軽減し始めて、仙骨と内臓が矯正対象になってきました。
仙骨が安定し骨盤全体のバランスが安定し始めると症状はさらに安定傾向に向かっていきました。こちらの患者様は仕事で車に乗ることが多く、力仕事もなさいますが、6週目以降は長時間の車の運転や力仕事の何とかこなせるようになってきました。この頃から漸く第5腰椎の矯正に着手しました。それは、4週目の中央の画像あたりから、体の左への傾斜を起こしている歪みの中心部分が第5腰椎付近に見られるようになってきたためです。。
右の画像は8週目のものになります。痛みは多少残りますが、仕事や日常生活に差し支えのない程度だそうです。この頃の姿勢は若干左に傾きがあり、仰向けでもうつ伏せでも左右の足の長さに差は見られなくなり、矯正の対象は腰仙部になってきました。
こちらの患者様は初診の日から2か月後に海外に行く予定があったために、飛行機での移動を懸念されていましたが、結果としては無事に行かれました。海外滞在中と飛行機での移動中は症状は殆ど感じなかったそうです。帰国後に整形外科にて再度MRIを撮影したところ、ヘルニアはまだ確認されましたが、症状が殆どないので手術は様子を見てということになったそうです。
こちらの患者様の症例は、姿勢の歪みと痛み、矯正箇所の選択が比較的に画像で分かり易い例として紹介させて頂きました。MRIの画像診断では明らかにヘルニアが確認されますが、当院で行う矯正では第5腰椎が矯正の優先順位として1番目のものではなく、ヘルニアが発生したことによる体の歪みを、股関節や足の筋肉、体の土台である骨盤が補正のために2次的な歪みを発生し、それが体全体の大きな歪みや激痛を引き起こしていたと推測されます。
2013年4月の新聞記事によると、整形外科の学会では腰痛の原因の8割は原因不明であり、画像診断で異常がなくても痛みを発生する場合があり、画像診断で異常があっても痛みを発生しない場合があるとの見解と記載されています。当院の患者様の中にはヘルニアの手術を行い、ヘルニアも症状も改善された方がいらっしゃいますが、こちらの患者様のようにヘルニアが残っていても体の歪みが改善されることで、症状を抑制できる場合もあります。当然ヘルニアが完全にない状態が望ましいのですが、症状を改善させるためのアプローチ方法としてこのような手段があることをご紹介しました。
カイロプラクティックの矯正の有効性とは?
症状は結果であり骨格と神経の耐性の減少を原因と考えます
皆様がお持ちの症状には様々な原因が考えられます。例えば一般的に”ぎっくり腰”と言われる急性の腰痛の場合、急に重いものを持ったら腰が痛くなってしまった、長時間車に乗った後に急に腰が痛くなってしまった、数日前から腰の調子が良くなかったけど今朝から急に腰が痛くなってしまった、など発症のしかたは様々です。
発症のしかたに違いがあれば、原因にも違いがあることが推測されます。共通して考えられることは、身体のいずれかの部位に、骨格と神経の耐性の減少している部位があるということです。
耐性とは、人間が受ける様々な負荷、例えば仕事、疲労、重力、外傷、気候、食べ物、ウイルスや細菌、感情的ストレスなどに対し、皆様が耐えることができる力です。症状の発症は、皆様に掛かる負荷が皆様の耐性の限界を超えてしまったために起こります。
”ぎっくり腰”の場合もこのように皆様の耐性の限外を超えてしまった部位があります。重いものを持ち上げて発症した方は、急に重さと言う負荷が掛かった部位が、長時間車に乗った後に発症した方は、乗車姿勢に適応できなかった以前からの全身の歪みの状態が、朝から急に発症した方は、慢性疲労による内臓への負荷が、各々限界値を超えて発症したかも知れません。
カイロプラクティックの矯正の有効性は、同じような症状の方に対しても、その骨格と神経の耐性の減少した部位を特定する、Human Sorting
Mechanism(人間の状態の選別機構)という特殊な検査方法を数多く持っているところにあります。
この確立されたメカニズムにより、皆様に対し、何時、何処を、どの様に矯正すれば効果的であるかを知ることが、カイロプラクティックの矯正の有効性に重要なポイントになります
ゆがんだ骨格が健康を損なう理由とは?
あなたが自分のからだがゆがんでいることを、普段はあまり感じないかも知れません。しかし、痛みや辛さを自覚するようになると、「もしかして、ゆがんでいるかも・・」と意識をするようになります。人間のからだには可塑性という性質があるために、多少のゆがみがあっても、あなたの脳が自動的にゆがみを多少補正して、その状態に順応してゆがみを感じないまま生活をしていきます。これは便利な性質とも言えますが、知らず知らずのうちにゆがみが強くなってしまい、次第にからだの痛みや不調を感じるようになってしまいます。ゆがみが進行していくと、自分では思いもよらないことが起きてしまいます!